車の故障や不調が原因で車を乗り換える人も多いと思います。買取店に車の査定を依頼するわけですが、故障個所を修理して査定に出すかどうか悩みどころだと思います。外装の傷やへこみは、結果的にはそのまま査定を受けた方がいいのですが、エアコンのような装備品の不調箇所は修理しておくべきでしょうか?
この記事ではエアコンの不具合要因や査定前の対応について解説します。
車の査定は、車の基本情報(車種・グレード・年式など)に日本自動車査定協会(JAAI)が定めている車の標準状態を基準に査定額が決まってきます。もちろんあくまで基本金額ですから、買取店によって査定額の上下はありますが、ベースとなる査定金額設定はこのようにして定められています。例えば、外装に傷やへこみはその大きさによって減点になりますし、内装ではペット臭や毛の付着なども減点対象となります。
JAAIの基準によるとエアコンの不調も減点対象とされており、不調のまま査定を受けると査定額が下がることになります。
目次
エアコン不調は査定に影響する?
査定額が下がるということはわかりましたが、査定前に修理をすべきかどうかは不調の原因によって変わってきます。外装の傷やへこみと同じように、「故障したままのマイナス査定額」と「修理にかかる費用」のバランスが問題となります。
また、エアコンは車の標準装備となりますので、エアコンが付いているからといって「プラス査定」にはなりません。そのため、エアコン修理は「マイナス」か「±ゼロ」かの選択となりますから、修理代がマイナス査定額より大きければ修理すべきでないということになります。
エアコンの不調原因
エアコンの不調の原因は大きく3つに分かれます。
- ガス不足/ガス漏れ
- コンプレッサーの故障
- コンデンサーの故障
エアコンはクーラーの効きが悪いことでその不調に気づくことが多いのですが、原因として一番多いのが「クーラーガスの漏れや不足」です。クーラーガスの不足は故障ではありませんから、ガスを補充して完了となります。費用も数千円で収まりますから、補充をしたうえで査定を受けた方がいいでしょう。
ガス漏れについては、補充したガスがどこかの箇所から漏れている故障ですから、ガスを追加しただけではエアコン不調は改善しません。問題はどこからガスが漏れているのかを特定しないと修理できないため、ディーラーや整備工場に持ち込まないと修理ができず、費用は故障個所によっては高額になる可能性があります。
コンプレッサーやコンデンサーの故障も同じく交換か修理が必要となります。数万円の修理代を覚悟しなければならず、輸入車やその他車種によっては更に高額な修理代が必要となる場合があります。
電動サンルーフの故障
エアコンと同じく、電動式サンルーフやオートスライドドアも、故障の場合は減点対象となります。
電動式サンルーフの故障については大きく3つに分かれます。
- 作動時の異音
- 雨漏り
- 開閉できない
異音や雨漏りといったメンテナンスで応急対応ができるものは数千円の費用で済みますから、修理をした上で査定を受けるようにしましょう。異音の場合はモーター可動部にグリスをさす。雨漏りの場合はシーリング(ゴム)の交換と以外に簡単に対応できる場合が多いです。ただし、モーターや電源の故障となると、自分で修理するのは難しく、費用も3~8万円はかかってくると思います。
オートスライドドアの故障
オートスライドドアもマイナス査定対象となっています。
オートスライドドアの故障原因も大きくは3つに分かれます。
- センサー、ヒューズ等電気系
- モーターの故障
- ワイヤー切れ
センサーの接触やフューズ切れであれば、数千円の修理(調整)で収まるため、修理をしたうえで査定を受けるようにしましょう。モーターの故障とワイヤー切れは5万円以上は修理代がかかると思いますので、売却前の修理は慎重に行う方がいいです。
故障個所は査定前に修理すべき?
エアコン修理をしても査定額が上がるわけではなく、しかもその修理費用は数万円と安くはありません。実際にはマイナスの査定額分を超える修理費用がかかるケースが多いと思われます。ですから、安易に修理にださずマイナス査定額との差額を検討した方がいいでしょう。
おすすめの対処としては、買取店に査定を受ける際にエアコンの不調を伝えた上で、「修理した場合」と「しなかった場合の査定額」の大まかな金額差を聞いてみるといいでしょう。少しの調整で済むような不調の場合は、マイナス査定されることなく売却できることもあり、買取店毎の査定基準と査定士の現場判断によるところも大きいの実情です。
買取店によっては、マイナス査定額が比較的小さく済む場合もありますので、なるべく複数の買取店に問い合わせる方がいいと思います。一括査定サービスを活用すれば簡単に複数の買取店からの査定を受けることができるのでオススメです。